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2017年5月12日金曜日

電動ファンの故障

エアコン修理はつづきます・・・

電動ファンがアカン場合


エアコンガスの特性を詳しく説明しているとややこしいので、
サクッと説明することに。


ガスがコンプレッサーで圧縮されるとめっちゃ熱くなる。
真夏ならだいたい90℃くらい。
このガスを冷やすのがコンデンサーって場所で、
ラジエターの前に付いているクーラー用のラジエター。
ここでだいたい50℃くらいに冷やされて、エアコンが冷えるネタになる。

冷えを確保するために電動ファンが付いている。
これがしっかり働かないと熱いままなのでぜんぜん冷えない。



いま世代の輸入車は、これもコンピューター制御されていて、
温度に応じて回転数が変わるようにしてある。
ホンマなんでもコンピュータ制御ですわ。

壊れるパターンは


  • ファンのモーターが壊れる
  • コンピュータが壊れる
完全に壊れると判りやすが、死にかけを判定するには診断機が必要。

もしくは配管の温度を直接測れば、解らなくもないが修理屋の知識と勘が試される。


エアコン修理とは総じて難しい。

ぼくも最初はぜんぜん治せなかった。
けれどもエアコン修理に強いひとに教えてもらって、
本も読んでだんだん判るようになってきた。
そして機材もいっぱい揃えた。はっきり言ってディーラーよりも充実してます。
けれどうまく修理が決まらずに、何度もやり直したクルマもあった。
だから今ではできるようになれた。

ここまできたら、
大阪ガスのガスヒーポンでも治せるかもって思えてきた~。(笑)

夏がキッタァ~

さてさて、
このブログを書いている日は、気温28°ともう夏の気配を感じます。


そうなると、エアコン修理の季節というわけです。(笑)

ことしも早速コンプレッサー交換をやりました。

みなさん、エアコンが冷えない理由ってご存じです?
うちに問い合わせていただく方も、ほとんどの方はガス漏れだと決め込んでおらますが、
ガス漏れが原因の確率は感覚的に50%くらい。
ガス漏れ以外にあるあるなのは、

  • コンプレッサーの故障
  • 電動ファンの故障
  • 配管の詰まり


これらが残りの50%を占めていると思います。



じゃ具体的に見ていきましょう。
コンプレッサーの故障も詳しく分けると

  1. クラッチの故障
  2. 制御バルブの故障
  3. 内部の焼付き



★クラッチトラブル

内部の電磁石がショーとか断線でクラッチが繋がらなくなる。
もちろんコンプレッサーがお休みされるので冷えなくなる。
最近のクルマはクラッチがなく、常にコンプレッサーがまわっているタイプも多いので、
これらはクラッチの故障はない。



★内部の焼付き

内部のピストンやクランクが焼き付いた場合、
このクラッチ(プーリー)が壊れることで、ベルトが切れないように保護する。
もしあなたのクルマが冷えなくなったら、まずココを観てみよう。
なにか板がハミだして空回りしていたら壊れている証拠です。

これがエアコン修理の最悪パターン
配管内部に鉄の粉がまわってしまい、ほぼ全部交換です。つまりエアコン全損。
ダッシュボードも外して、室内ユニットも分解しないとダメ。
内部洗浄しっかりしたらええやん?って思う人もいるけど、
なんぼ洗っても元には戻らん。ある程度は冷えるけどパンチはでない。
昨年も一台遭遇したけど、見積りは40万円~ってご案内したところ、
再びお見えになることはありませんでした。(ハァ~)




★制御バルブの故障

バルブが動かなくなって中のピストンが有効に作用しなくるパターン。
YouTubeでいい動画を見つけたので紹介します。

https://www.youtube.com/watch?v=dp0VZyaYfgw



画像の中の緑色の板が斜めになっているのがわかるでしょ。
これが一回転する間にピストンが前後に動きます。
制御バルブはこの斜板の傾きを変化させて、
ピストンの働きを増やしたり減らしたりしてくれます。



もしこれが真っすぐならば、ピストンも動かないから冷えなくなる。
ガス漏れ以外の故障はこのパターンがほとんど。
もうコンプレッサー交換しかありません。

昨年はこの故障で罠にハマったのがあった。
いつものように、コンプレッサーがアウトっておもって交換しても
全然冷えない。(冷汗でた)
ちゃんと制御バルブの電気信号を確認しておけばよかったのに、
サボってしまった。改めて調べるとパルス信号が来ていない。
エアコンのコンピューターは信号を送っているのに、一体どこへ消えるの?
クルマはベンツでしたが、フューズボックスの故障だった。

こんなことも修行してきて今に至る・・・。

電動ファン故障の場合 (続く)

2017年5月10日水曜日

DSG修理専門業者です (ウソ)

4月はトランスミッションの修理が多かったです。
月末にもフォルクスワーゲンのDSGの修理でご入庫。

ポロ(6R)の7速DSGで、
メーター内にスパナマークが点滅してミッションの故障を示しています。
テスターで故障内容を観てみると・・・


ミッション内部の油圧ポンプが悪いようですが、
『Play protection』って意味がピンときませんね。
さらにミッションからオイルが漏れがでています。

漏れている箇所はミッション上部のブリーダープラグからで、
漏れているというよりは吹き出していると言ったほうが正しいです。


いろいろ調べた結果、メカトロニクスの内部に封入されているオイルが
吹き出しているようで、メカトロニクス丸ごと交換しか修理ができないです。

それではメカトロニクスを外してみましょう。


写真では2つ写ってますが、取り出したのは手前の方。
この部品の中に油圧制御装置と電子コントロール装置がパックになって、
さらに作動油が充填されています。作動油はミッションオイルとは別物なので、
抜いたり入れたりはできません。

今回の現象を予想するに、
ポンプが作り出した油圧をためておくアキュムレータ(タンク)があるのですが、
その内部の膜がパンクして圧力が貯められず、ただのオイルタンクになっていると思います。パンクした瞬間にはアキュムレータ内の高圧ガスが吹き出すので、
結果オイルが外にも吹き出したのでしょう。


新しい方を取り付け、専用テスターでコーディングと基本調整させる。



その後はテスターを繋いで学習走行ですが、街なかではとても出来ません。
仕事が終わってから、名阪国道をつかって大和まほろばインターからテストパターンで走って、完了したころには福住インターです。


フォルクスワーゲングループのDSGミッションって、
性能は抜群にいいけれど、トラブルもチラホラと有るようです。
『ガラスのミッション』は、ボルボだけではなかった・・・。